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2010年5月25日 (火)

「ただいま それぞれの居場所」 を観た

最近一般公開された映画「ただいま それぞれの居場所」(企画・製作・監督:大宮浩一)では、最近増えている「宅老所」、「デイサービス」あるいは「グループホーム」とも違う、3つの要介護高齢者のいわば「居場所」を紹介している。共通していることは、利用者も職員もかつては公的介護制度による施設を利用し働いてきた人たちが多いのであるが、「どうも違う」ということから、現職員などが自主的かつ可能な限り介護保険制度に頼らずに開設・立上げ、また利用者も集まってきたことである。映画で紹介される事例は何か“ヒューマニティ”を感じさせる介護システムであり、「居場所」でもある。

この「居場所」システムの特徴は、

―現介護保険制度から外れた要介護高齢者への介護システムであり、無認可もしくは部分的な介護保険制度利用

―誰かの自宅・空き家を再利用されており、施設ではなくて住まい・居住空間である。

―利用者皆が職員とトラブリ、あるいは利用者間での葛藤を持ちながらも、いきいきと暮らしている。

―職員も利用者も多くが、既存の介護保険制度に何か疑問・違和感を持っていて、移ってきた人。

特に、次のことを思った。

―心身の障害を様々持ちながらも、人々が一緒に広めの住まいで暮らすことの大切さ、楽しさを事例を通して丁寧に説明している。近年減少の一途であるが、三世代や大家族がかつての一般的家族であった時代と違って、血縁関係のない高齢者などが集まって、共同生活することは、重要な意味を含んでいる。今後の家族のありようを示しつつある。

周知のように、富山県で看護師3人が集まってデイサービス「このゆびとーまれ」が17年前に開設され、「富山型」として、全国各地でモデルにもなっている。この映画で紹介された3つの住まいはここの流れの延長上にある。 

ところが、一方では、この流れからヒントを得て、厚労省が2006年に制度化したのが「小規規模多機能型居宅介護」システムである。高齢者の介護施設の“切り札”とされたが、こちらの方はさっぱりである。国や自治体が財政支出を渋り、一方では多様な職員配置が必要で、あるいは利用者の確保など経営を圧迫する制約がネックになり、ストップ状態にあるという。このようなことから、心ある人たちがボランティアとして、やむにやまれず立ち上がり、私財や退職金をはたき、あるいは自宅を提供するなどの大きな負担を強いられつつも、理想の介護を追い求めているのである。その結果、さまざまな形の「居場所」ができてきている、のが現状である。

様々な問題を持ちながらも、本物の高齢者介護を追い求めるこのような多面的な活動が、どのように展開し定着化していくか、今後が注目される。(100524)

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